2年連続となる都道府県対抗全中の中止に伴い、全国大会という夢の舞台を失ってしまった中学生たち。
そんな選手たちのために、なんとか代わりとなる場を用意したいと昨年の10月から開催に向け動き出したこのSoft Tennis Festa 2021。
直前まで、新型コロナ感染拡大の影響や首都圏の緊急事態宣言延長など、先行きの読めない状況が続いていました。
それでも、多くの方たちの熱意と想いをのせて、この富山の地で開催まで漕ぎ着けました。
今大会は、正式には「都道府県対抗の代替大会」とはうたっていません。
そもそも今年は都道府県全中の予選を行えていない地域も多いどころか、秋の新人戦含めていまだ公式戦さえ行えていないところもあります。
新型コロナ感染拡大が終息しきらない現状において、出たくても出られない県や学校など地域事情もさまざま。
それでも出場する選手たちには、「全国大会で戦った」という誇りを持ってもらえるように、大会実行委員会でも準備段階からできる限りのことはやりました。
結果的に多くの方に大会趣旨をご賛同いただき、北は北海道から南は大分まで、全国から男子33チーム、女子31チームに出場いただきました。
県選抜メンバーを選出して出場してくれたチーム、新人戦の上位校による単独チームなど代表選出方法はさまざまですが、紛れもない全国大会です。
優勝カップを寄贈いただいたのは、元日本代表として長きに渡りソフトテニス界を牽引されている高川経生現ヨネックス監督と、篠原秀典現日体大監督。
今大会の参加者の中からも、必ずや未来の日本代表選手が生まれるに違いありません。
昨年1年間は中学生に限らず、ジュニアから社会人一般まで、あらゆるカテゴリーの全国大会が軒並み中止となりました。
久しぶりの全国大会は、感染拡大防止に最大限配慮しながらの開催。
保護者やチーム関係者は、我が子の勇姿に声をあげて応援できるよう、座席も間隔を空けた上でマスクとフェイスシールド着用を義務化。
それ以外にも、感染症リスクを正しく恐れ、考えうる限りの対策をしながらの実施となりました。
そのあたり、大会運営舞台裏の話はまた別の機会に。
都道府県の名前を背負って試合に出る。
ソフトテニスに限らず、スポーツをしている者であれば誰もが憧れるものです。
全国で活躍をする実力を持ちながらも、これまでその機会を奪われてきた選手たち。
この緊張感を味わいながら、試合ができる喜びをコート上で思い切り表現してもらえたら、それだけでもこの大会には大きな意義があったと思います。
各コートに溢れるとびっきりの笑顔。
嬉しさだけでなく、負けた悔しさや、実力を出しきれなかった歯痒さや不甲斐なさも。
そうした喜怒哀楽の経験を積み重ねて、子供たちはきっと大きく成長していくはず。
コロナ禍において、「スポーツは不要不急」という価値観が突きつけられている現実もあります。
たとえそうだとしても、私たちはそうではないと信じたい。
練習試合や研修大会とは違う本番だからこそ、そこには特別な意味がある。
夢や目標こそ、人が生きるために一番必要不可欠なものだと思います。
ちなみに、賢明な読者の方々はお気づきかも知れませんが、今回のブログ記事ではいつもより写真のクオリティがアップしています!
今大会は運営スタッフとして多くのボランティアの方々が支えてくれています。
そのなかでも広報面で多大なるご協力をいただいたのが、カメラマンの安藤さん(あんちゃん)です。
もともとご自身も強豪校出身でソフトテニスをされていたあんちゃん。
この人もやはり生半可ではないソフトテニス愛の持ち主。
大会期間中、休みなく会場内を駆けずり回って、選手たちの輝く姿をたくさん写真に収めてくれました。
その数、なんと約6,000枚!!
選手、保護者、チーム関係者のみなさまには、限定公開サイトにて全ての写真を閲覧できるよう準備を進めておりますので、そちらも楽しみにお待ちください。
【Twitterアカウント】あんちゃん@STtube顧問
大会1日目は会場の高岡スポーツコアの全16面を使って、男女の予選リーグ全試合と決勝トーナメント1回戦までを実施。
ドローはすべて組み合わせ抽選により行われたため、優勝候補と目される強豪チーム同士が予選リーグで潰しあうような場面もありました。
それはそれで大会の見どころではありますが。
想像していたよりも全体的にレベルが高く、夏の全中が無事に開催されればそこで上位に食い込みそうな有力選手たちもたくさん活躍していました。
大会公式YouTubeチャンネル『SOFT TENNIS Navi』では、予選リーグを含む全試合の録画配信もこのあと順次アップしていきます。
現在、膨大な撮影データと格闘しながら鋭意準備中ですので、今しばらくお待ちください。
なお、当日ライブ配信を行った決勝、準決勝のアーカイブ動画はチャンネルからご覧いただけます。
SOFT TENNIS Navi
大会初日のクライマックスは、この日の最終戦となる女子決勝トーナメント1回戦。
愛知 対 兵庫県選抜。
愛知の林・薄ペアが④-0で先勝するも、2番は兵庫のエース前川・中谷ペアがストレートで貫禄勝ち。
ジュニア時代から全小連覇を続け全日本アンダー14メンバーにも選出されている2人が流石の強さを発揮して、勝負の行方は3番勝負へ。
3対戦すべてがダブル後衛同士の対決でしたが、互いに攻め合うスピーディーな展開。
日没後、底冷えのする観客席からも熱い声援が飛び交います。
勝てばベスト8、全国大会での5位入賞。
互いに譲れません。
1時間を超える長丁場となった3番勝負。
最後は愛知の塚本・宮本ペアが粘り勝ち。
勝った愛知チームは、コートでプレーする選手と応援の一体感が光りました。
苦しい場面でも、仲間が背中を押してくれる。
これぞ団体戦の醍醐味。
素晴らしい試合を見せてもらいました。
これで男女ともベスト8が出揃い、いよいよ日本一を決める大会2日目へ。
つづく。
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