千駄ヶ谷の駅を降りると、東京体育館に朝から黒山の人だかり。
正面入口のみにとどまらず、2階入口にも長い行列が!
寒いなか、開場を待つ人、人、人。
決してボブ・ディランが来日したわけではありません。
そう。
この行列は、ソフトテニス界におけるお正月の風物詩「ルーセントカップ東京インドア」です!
などと言いながら、実は私も初めて観戦にきました(照)。
予想はしていましたが、かなりの人出に驚きました。
このルーセントカップ東京インドアは、今年度の全日本選手権などで活躍した、国内屈指の招待選手男女各8ペアで争われます。
ソフトテニスで観戦に入場料を取る大会は珍しいのですが、お金を出しても一流選手の試合が見たいというソフトテニスファンがこれだけ多くいるということは、ソフトテニス界にとってポジティブな話だと思います。
実際に会場に足を運んでみると、これだけ大きな大会を主催、運営するのはとてつもなく大変だろうな、と感心してしまいます。
また、さらに驚くことに、ルーセントカップは同日に名古屋でも開催されています。
名古屋の日本ガイシホールで開かれるインドア大会は、社会人と学生それぞれの代表による対抗戦です。
こちらも東京インドアに負けず劣らず注目の大会です。
これほど大規模なイベントを関東、関西で同時に開催するなんて、恐るべしルーセント!
プロのないソフトテニス競技では、数少ない興行として成功しているイベントと言えますので、いろいろと勉強になることがたくさんありました。
大会で選手たちも着用するルーセントの新作ウェアをはじめとした物販ブースも盛況です。
選手入場、開会式に続いて、「さくらシンデレラ」というアイドルグループのゲストライブもあり、普段の試合会場とは一味違う雰囲気があります。
東京体育館はソフトテニスの試合でもたびたび使われる会場ですが、通常の大会では、なかなか3階席まで使用することはないので、アリーナ席、2階、3階の観客席をソフトテニスファンの方が埋めていく様子は壮観でした。
Jリーグやプロ野球は別格としても、最近のプロスポーツ界の動きなどを見ていると、ソフトテニスもまだまだ色々な盛り上げ方ができるのではないかと感じます。
近年、企業のコスト削減で実業団などの企業スポーツが縮小傾向にあるなかで、昨年開幕したバスケットボールのBリーグもそうですし、その前から続くバレーボールのVリーグなど各競技でさまざまな取り組みが試みられています。
すでに新聞等でも報道されているとおり、卓球も2018年秋には実業団とプロクラブで構成されるTリーグが始まるそうです。
今や人気スポーツの卓球ですが、それでも国内登録競技者は32万人(2015年時点)とのことで、ソフトテニスの54万人には及びません。
ソフトテニスのプロ化やオリンピック種目への採用、興行イベントの充実など、各方面でいろいろな取り組みをされている方はこれまでにもたくさんいらっしゃると思いますし、実現までに越えるべき壁が大きいのは確かだと思います。
それでも、せっかく中学生では人気のあるソフトテニスが、大学、社会人と進むにつれ競技人口が極端に先細りしていく現状を打破するためには、やはりただの部活動だけで終わらせずに、その先につづいていく道を増やすことが欠かせません。
ついつい話が逸れましたので、大会のほうに話を戻します。
選りすぐりのトップ選手たちを集めた大会だけに、予選リーグの第一試合から見逃せない試合の連続でした。
なにしろ、男子の初戦では、昨年のインターハイチャンプ、岡山理大附属高校の本倉・上松ペアが、天皇杯優勝の船水(颯)・星野ペアを④-0で撃破する波乱の幕開け。
そうかと思えば、同じコートに続いて入った女子の予選リーグでは、同じくインターハイチャンプの文大杉並高校の林田・宮下ペアが、皇后杯を制した志牟田・地中ペアに快勝。
現役高校生ペアの勢いは、とどまることを知りません。
どのコートも、各カテゴリーの日本一や、日本代表選手が真剣勝負を繰り広げていますので、面白くないわけがありません。
なかでも圧巻は、前述の本倉・上松ペアです。
なんと、強豪ひしめくこの東京インドアで、史上初の高校生チャンピオンに輝きました。
男子 優勝
本倉 健太郎/上松 俊貴(岡山理科大学附属高等学校)
男子 準優勝
水澤 悠太/長江 光一(NTT西日本広島)
女子 優勝
高橋 乃綾/半谷美咲(どんぐり北広島)
女子 準優勝
森田 奈緒/神谷 絵梨奈(ヨネックス)
ルーセントカップ 東京インドア全日本ソフトテニス大会 試合結果
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[su_spoiler title=”男子” style=”fancy”]
2017年1月15日開催
東京体育館
<男子Aブロック>
1 | 2 | 3 | 4 | 勝率 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 船水颯人・星野慎平 (早稲田大学) |
0 | ④ | 3 | 1/3 | 3 | |
2 本倉健太郎・上松俊貴 (岡山理科大学附属高校) |
④ | ④ | ④ | 3/3 | 1 | |
3 林田和樹・川淵泰直 (ヨネックス) |
2 | 1 | 1 | 0/3 | 4 | |
4 篠原秀典・小林幸司 (日体桜友会・ミズノ) |
④ | 3 | ④ | 2/3 | 2 |
<男子Bブロック>
5 | 6 | 7 | 8 | 勝率 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|
5 水澤悠太・長江光一 (NTT西日本広島) |
④ | ④ | ④ | 3/3 | 1 | |
6 立木雅也・平井裕之 (明治大学) |
3 | 3 | 1 | 0/3 | 4 | |
7 桂拓也・塩嵜弘騎 (和歌山県庁) |
3 | ④ | ④ | 2/3 | 2 | |
8 内本隆文・丸山海斗 (早稲田大学・明治大学) |
3 | ④ | 0 | 1/3 | 3 |
<男子準決勝>
本倉・上松 ⑤-4 桂・塩嵜
篠原・小林 2-⑤ 水澤・長江
<男子決勝>
本倉・上松 ⑤-3 水澤・長江
※予選リーグは7ゲームマッチ、準決勝・決勝は9ゲームマッチ
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[su_spoiler title=”女子” style=”fancy”]
2017年1月15日開催
東京体育館
<女子Aブロック>
1 | 2 | 3 | 4 | 勝率 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 志牟田智美・地中葵 (神戸松蔭女子学院大学) |
2 | ④ | 1 | 1/3 | 3 | |
2 林田リコ・宮下こころ (文化学園大学杉並高校) |
④ | ④ | 1 | 2/3 | 2 | |
3 中川瑞貴・濱村紗和 (ナガセケンコー) |
1 | 3 | 3 | 0/3 | 4 | |
4 森田奈緒・神谷絵梨奈 (ヨネックス) |
④ | ④ | ④ | 3/3 | 1 |
<女子Bブロック>
5 | 6 | 7 | 8 | 勝率 | 順位 | |
---|---|---|---|---|---|---|
5 高橋乃綾・半谷美咲 (どんぐり北広島) |
④ | ④ | 2 | 2/3 | 1 | |
6 杉脇麻侑子・佐々木聖花 (早稲田大学) |
2 | 0 | 2 | 0/3 | 4 | |
7 深澤昭恵・森原可奈 (東芝姫路) |
1 | ④ | ④ | 2/3 | 2 | |
8 徳川愛実・黒田麻衣 (ヨネックス) |
④ | ④ | 0 | 2/3 | 3 |
<女子準決勝>
森田・神谷 ⑤-4 深澤・森原
林田・宮下 2-⑤ 高橋・半谷
<女子決勝>
森田・神谷 1-⑤ 高橋・半谷
※予選リーグは7ゲームマッチ、準決勝・決勝は9ゲームマッチ
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上松選手は、昨年のアジア選手権でもダブルス優勝と、すでにアジアタイトルを獲っていますが、これでまた新たに歴史を塗り替えました。
彼のプレーを実際に見た方はわかると思いますが、信じられないほどしなやかなフォームから繰り出されるネットプレーは、見ていてうっとりします。
この日もそのプレーで何度も会場をどよめかせていました。
これからも数々の記録を打ち立てていくことでしょう。
本当に、来た甲斐がありました!
今年見られなかった方は、来年こそは会場で生の感動を。
長野から初めて大会を見に行こうと思っています。混雑状など分からない事ばかりだったのでとても参考になりました。明日は女子高校生2名を連れてスター選手に会えるよう頑張ります。
コメントありがとうございます。
お役に立てたのでしたら幸いです。
今年も熱い試合が目白押しだと思いますので、ぜひ会場での観戦を楽しんでください。
私も楽しみにしております。