今年の高校生の関東大会は、6月に東京都で開催されました。
その数ヶ月前から東京都高体連さんよりご相談をいただき、大会のライブ配信を担当させていただくことになっていました。
私自身も東京都の高校出身で、最高戦績は関東大会出場。
個人的にも非常に思い入れのある大会をお手伝いさせていただくとあって、お声がけいただいただけでも身に余る光栄でした。
そもそもご相談があったのも、昨年から引き続きコロナによる制限付きの大会開催が強いられるなか、主催連盟として無観客開催にせざるを得ないケースを想定して会場に見に来られない保護者向けに何とかライブ配信をやりたいということでした。
実を言うと、その話の流れで実証テストの意味合いも兼ねて行ったのが、3月の全国私学のライブ配信でした。
過去記事:令和3年度 全日本私立高等学校選抜ソフトテニス大会
とはいえ、電源も確保できて天候に左右されないインドアでのライブ配信と、屋外でしかもコート面数の多い会場で全試合を配信するとなると難易度は桁違いです。
正直、お金さえかければ専門業者に頼んで色々と対応は可能です。
でも実際、映像配信業者にスポーツライブ配信を依頼すると、ビックリするくらいの見積もりが出てきます。
もちろんそれもぼったくっているわけでもなく、専門の機材や人員を使うだけでも当然それなりのお金がかかるわけです。
商業目的でもない大会に、そこまでお金をかけられるほど連盟予算が潤沢なはずがありません。
というわけで、今回もなかなかハードなチャレンジでしたが、そこは並外れたソフトテニス愛と創意工夫で乗り越えるのみ。
お陰さまで弊社プレイヤーズもスタッフが増えてきたので、社長の趣味で完全ボランティアをやっていては会社が潰れてしまいます。
予算がなければ知恵を絞り、汗をかいてなんとかするのがベンチャースピリット。
弊社とお付き合いいただいているクライアントの皆さまは、少なからず感じていただいているかも知れませんが、一定以上のご満足いただけるクオリティをなるべく低コストで実現するのがプレイヤーズ流。
ソフトテニス界の「おねだん以上」を目指して頑張ります(笑)
というわけで、宅配ロッカーを占有する勢いでAmazonから物品調達。
今回の関東大会は、男女の団体戦・個人戦を2日間で行うため、会場は小金井公園と府中の森公園の2箇所に分かれます。
そのうちプレイヤーズが担当するのは、団体戦会場となる府中の森公園の全8面。
コストを極力抑えようといろいろ検討した結果、今回はスマホ配信を採用。
レンタルした機材は、入念に事前チェックとテストを行います。
そうして迎えた当日。
ライブ配信は朝の準備が命。
いくら事前に用意していても、カメラの配置やアングルなど現場で設置してみないと分からないことも多いです。
フェンスの高さ、網目の細かさ、防風ネットの有無でセッティングが全部違います。
もちろん試合開始の時間や大会進行もライブ配信の都合にあわせてはいられません。
ライブにイレギュラーやトラブルはつき物なので、何度やっても緊張するし無事に終わるまで気が気じゃありません。
実際に無観客での開催となったこともあり、我が子の晴れ舞台に会場での応援が叶わなかった親御さんの気持ちを考えたら・・・。
それこそ趣味でやっていれば別ですが、今回は会社として依頼を受けているので意地でも失敗できません。
試合をするわけでもない私は、おそらくこの日会場で一番プレッシャーを感じていました(笑)
今回とくに心配だったのが熱対策です。
スマホ配信は、YouTubeチャンネルさえあれば比較的手軽にできる反面、熱がこもるとどうしてもシャットダウンが起こります。
夏場はとくにそうで、私も過去に幾度となく失敗を経験しています。
6月の暑さにどう耐えるか。
冷却シート、冷却ファンに、小型扇風機。
さらに最悪シャットダウンした場合の予備スマホなどなど。
入念にできる限りの準備はしていました。
しかも低コストで。←ココ重要
人事を尽くして天命を待つ。
そうして緊張感いっぱいの関東大会が開幕。
思えば高校のときに出場した関東大会も、緊張でガチガチになって1回戦でボロ負けしたなぁ。。
選手たちにはとにかく持てる力を出し切って、悔いのないプレーをしてほしいと思います。
常にベストを尽くせば、仮に結果がダメであっても後悔は残らないものです。
配信に手一杯で、ほとんど試合を見る余裕がありませんでしたが、文大杉並(東京)との決勝を制した昭和学院(千葉)が優勝。
ライブ配信のほうも8面を朝から全試合、なんとか大きなトラブルもなく無事に完遂しました!
ひとまず安堵。
そして2日目。
前日の女子につづいて男子団体戦。
ライブ配信チームも1日目を無事に乗り切ったことで少し心の余裕が生まれます。
参考までに、惜しみなくノウハウを公開するとこんな感じ。
100円ショップで購入したグッズを組み合わせたオリジナルの日よけがポイントです(笑)。
直射日光を避け、スマホに取り付けた冷却ファンで熱対策。
補助員の高校生たちにも各コートでの目視確認を手伝ってもらいながら、配信本部ではPCモニターを使って常時監視。
各コートで異常があれば即座に対応できるように、機材もスタッフも控えています。
インターネットライブ配信の肝は、電源確保と通信環境。
モバイルバッテリーと、それらを屋外で充電するためのポータブル電源も必要数用意。
通信用のSIMカードも、どのくらいの速度と容量が必要なのかは事前の検証作業で把握しています。
ここまでやってダメなら、もうしゃーない(笑)
万一トラブルで配信に失敗したら、連盟と保護者の皆さんに誠意をもって謝罪するしかありません。
前日に小金井公園会場で行われていた男子個人戦が日没により決勝戦のみ翌日繰り越しとなったため、朝の第一試合に行いました。
木更津総合(千葉)の小林・吉田ペアと、高崎商業(群馬)の大和・五十嵐ペアとの対戦。
他のコートでは団体戦の1回戦が進行するなかでの個人戦決勝という独特のシチュエーション。
小林・吉田ペアが見事関東チャンピオンに輝きました。
そのまま同じコートに団体戦1回戦の木更津総合対高崎商業が入るという漫画のような展開。
オーダー順により、個人戦決勝のリベンジマッチとはなりませんでしたが、互いに優勝候補同士で注目の一戦。
前年度優勝校の高崎商業を0-②で下して木総が勝利。
高崎商業は個人戦のリベンジならず。
2日目は、心配していた暑さは和らいだものの、曇り空から小雨がちらつきだし慌てて雨対策。
今回は自社の機材だけでなくレンタル機材も多かったので、雨に降られて故障させたら補償リスクが・・・。
天候次第ではライブ配信中断もよぎりつつ、雨雲レーダーを眺めてはやきもきしていました。
幸い大雨に降られることなく無事に決勝戦を迎えます。
ほっ。
山梨の笛吹高校と木更津総合の対戦。
3面展開で各コート白熱した試合が行われた結果、木更津総合が2本先取して優勝を決めました!!
コロナ前の2019年。
インハイ決勝での尽誠学園との死闘を目の当たりにした私としては、どうしても木総には期待してしまうところがあります。
今年もあのときに負けず劣らず戦力充実した良いチームです。
過去記事:令和元年度 全国高等学校総合体育大会(インターハイ男子団体戦)
男子団体戦が終了したあと、小金井会場で行われていた女子個人戦が終わりきらないということでベスト8から会場を移してこちらの府中の森で実施。
あたりが暗くなり、ナイター照明のなかでの試合。
関東大会やインターハイなどの大きな大会では、最後はナイターということも珍しくありません。
ただ、こうなると大会進行は時計と睨めっこ。
いくら大会だからといって公共施設を無条件で使わせてもらうことはできません。
時間的にギリギリで決勝戦のみ順延とするか難しい判断ではありましたが、高体連委員長が施設側に掛け合ってくださり、かろうじて決勝終了まで続行が可能に。
選手たちにはそんなこと気にせず試合に集中してほしいですが、運営側として大会に携わると裏側の苦労がよく分かります。
試合が終了して順位確定したペアから順次表彰。
コートの利用終了時刻が迫るなか、決勝戦は文大杉並の鈴木・大野ペア、藤井・高島ペアによる同士討ち。
最後は鈴木・大野ペアが優勝!
おめでとうございます!!
試合終了と同時に、運営スタッフ全員で即座に片付けて撤収。
なんだかんだで、ミッションコンプリート。
私もずっと抱えていた肩の荷が降りました。。
後日談ですが、出場していた選手の親御さん何人かから「お陰で子供の試合をライブで見ることができました」と感謝の言葉をいただきました。
そもそも好きだから没頭してやっていることが、誰かの役に立って人から感謝されるなんてホント冥利に尽きます。
そういう声を聞くだけでも苦労が一気に吹っ飛びます!
ライブ配信を考えているけど、やり方が分からず困っている連盟関係の方がいらっしゃればお気軽にご相談ください!
色々と経験やノウハウを重ねていますので、お力になれるかも知れません。
株式会社プレイヤーズ
選手の皆さん、運営の皆さん。
大変お疲れさまでした!!
大会結果>令和4年度関東高等学校ソフトテニス大会
第73回 関東高等学校ソフトテニス大会ホームページ
https://sites.google.com/view/2022-73kanto/
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