プロ野球のオリックスやDeNAベイスターズで事業戦略を担当されたあと、バスケットボール「B.LEAGUE」の事務局長としてリーグ発足に尽力された葦原一正さんのオンラインセミナーを拝聴しました。
その葦原さんは、今年4月に発足した一般社団法人 日本ハンドボールリーグの初代代表理事に就任されました。
それまでは公益財団法人 日本ハンドボール協会の中の任意団体として活動していた日本ハンドボールリーグ(JHL)。
今回の法人化に伴い、リーグの価値向上に取り組むとしています。
葦原さんによれば、「リーグのプロ化」はあくまでも選択肢の一つで、まずは課題整理をしながらガバナンスの強化や収益機会を増やしていくとのことでした。
セミナー後にほんのわずかな時間ではありましたが、個人面談させていただく機会があり、ソフトテニスのプロリーグ創設に向けた私の想いをぶつけたところ、
「(登録競技者)50万人いたら、なんでもできますよ」
とのことでした。
私も同感です。
各競技ごとにトップリーグの運営にはさまざまな形がありますが、他競技の事例に学ぶべきことは多いです。
ちなみに、ハンドボールの国内競技者人口は9万人。
リーグの予算規模は現在2億円程度だそうです。
それに対して日本ソフトテニス連盟の年間予算は、公表されている収支予算書によればざっと約5億円。
いきなり50億、100億の規模に広げることは無理としても、規模に見合ったやり方で着実に発展させていく方法はあるはず。
葦原さんとの短い会話のなかでも、私自身かねてより抱いていた感情が沸々と湧き上がってくるのを感じました。
ソフトテニスをスポーツビジネスとして捉えた場合にも、そのポテンシャルの大きさには改めて魅力しか感じません。
“ソフトテニスでメシを食う”
このフレーズに込めた想いは、決してソフトテニスを金儲けの道具にするということではありません。
私たちが愛してやまないソフトテニスの魅力をしっかりと発信し、より多くの人に競技を始めてもらい、そして競技を続けてもらいたい。
そうしたなかで、ソフトテニスに携わる人たちにとって、より夢があって、幸せな環境を作りたい。
そんな想いを持ってこれまでも活動をしてきました。
私はもともと有名選手でもなければ、これといった実績がある人間でもありません。
知名度もなければ、人脈もない、お金もない。
本当に何もないところからのスタートだったので、ここまでくるだけでも相当な時間がかかってしまいました。
それでもお陰さまで、最近ではソフトテニス関係者のなかではある程度の認知をしていただいて、多少のネットワークは構築できるようになってきました。
初心を忘れず、ここからさらに気を引き締め直して活動していきたいと思います。
葦原さんの話にもありましたが、
「1億円プレイヤーを生み出すのも大事だけど、それ以上に大事なのはリーグや協会に関わるフロントスタッフの中に1,000万円の年収を稼げる人をどれだけ作り出せるか」
ほんと、その通りだと思います。
ボランティアや寄付で成り立っている構図だけでは、持続的な発展は見込めません。
競技自体の魅力をより多くの人たちに届けて、しっかりとその価値に見合った対価を得ていくことで、ソフトテニスを「する人・見る人・支える人」それぞれが恩恵を得られる状況が生まれます。
これまでも現在も、本当に多くの方々が競技の普及・発展のためさまざまな努力をされています。
しかし、その個々の動きがバラバラなままでは、なかなか大きな壁は超えられません。
もちろん私一人がどうにかできるものではありませんが、そのたくさんの想いや熱量のベクトルを合わせて、一つのゴールに向かっていくことができれば、きっと大きな成果が得られるはずです。
そもそも、その「ゴール」というのがまた人それぞれなのが厄介なのですが、まずはしっかりとしたグランドデザインを描き、みんなで目指すべき旗を立てることが必要なのかもしれません。
現実的には、少子化問題や部活動縮小の動き、さらには硬式テニスの中体連加盟など、ソフトテニス競技にとっては先行き厳しい状況があるのも事実です。
まだ今ならチャンスがあるにしても、競技人口が大きく減ってしまってからでは、打つ手が限られてしまうのでのんびりはしていられません。
余談ですが、葦原さんは私と同い年。
ビジネスをするうえで年齢なんて全く関係ないと思っていますが、それでもやはり親近感を覚えます。
葦原さんの輝かしい実績に比べたら、私なんて何もなさすぎてお恥ずかしい限りですが、持ち前の厚かましさで勇気だけはいただきます(笑)
今日も勝手にラッパを吹き鳴らしながら、そこに少しでも共鳴いただける同志を巻き込みつつ、理想の実現に向けて地道に一歩ずつでも前に進めていきたいと思います。
株式会社プレイヤーズ
過去記事:中体連に硬式テニス部設置でソフトテニスは廃れるのか?
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