個人戦のシングルス、ミックスダブルスが終了し、この時点で日本勢の金メダルはまだゼロ。
スーパープレーの応酬にしびれる反面、各国代表選手たちがしのぎを削る国際大会の厳しさを垣間見るようです。
3日目はいよいよダブルス。
やはり、ソフトテニスの真髄はダブルスにあり。
そう考える人は私だけではないはずです。
初日と2日目は天候に恵まれなかったのですが、やっと晴れてくれました!
日本代表メンバーたちにも、ここまでの鬱憤を晴らすメダルラッシュを期待してしまいます!!
頑張れニッポン!!
ダブルスの出場選手は、男子が丸中大明/長江光一ペアと中本圭哉/鈴木琢巳ペア。
女子は林田リコ/島津佳那ペア、高橋乃綾/半谷美咲ペア。
言わずと知れた国内屈指の実績ある顔ぶれ。
鈴木琢巳選手と島津佳那選手は4大国際大会では今回が初の代表選出となりますが、それ以外のメンバーは国際大会でも経験ある選手たち。
何よりも結果が求められる世界選手権においても、きっとやってくれると信じています。
シードにより2回戦から登場の林田・島津ペア。
その対戦相手に、今大会シングルスで金、ミックスダブルスで銅と大活躍の中国シェ・スーチー選手がダブルスでも出場。
いきなり侮れない相手との対戦ですが、要所をしっかりと抑えて⑤-3で勝利。
島津佳那選手は、見事代表デビュー戦を白星発進。
高橋・半谷ペアも、2回戦のカンボジア、つづく準々決勝の中国ペアをいずれも⑤-0で完封する最高の立ち上がり。
難なくメダル圏内であるベスト4入りを決めます。
国内でもインドアを得意とし、ハードコートのサーフェイスへの適応力も高いこの2人。
昨年のアジア競技大会では個人戦ダブルスの開催がありませんでしたが、国別対抗決勝の活躍を見れば、金メダルの射程圏内にいることは疑いようがありません。
林田・島津ペアはベスト4を賭けて、韓国のイ・ソンミン/ナ・ダソムと対戦。
林田選手はシングルス2回戦でも対戦したイ・ソンミン選手とダブルスでも再戦となりましたが、島津選手との抜群のペアワークも光り、ここでも勝利。
見事、準決勝進出を果たします。
女子2ペアはここまで危なげない勝利で、入賞が確定。
一方の男子トーナメント。
中本・鈴木はチェコ、中国のペアに、丸中・長江はネパール、タイのペアにそれぞれ順当勝ちしてベスト8進出。
準々決勝では、それぞれが台湾ペアとの対戦に。
今回ダブルスにエントリーした日本男子2ペアともがダブルフォワード。
図らずも隣同士に入った2試合それぞれが、メダルを賭けた日台ダブルフォワード対決という展開に。
一進一退の好ゲームが続きますが、ダブルフォワードの元祖ともいうべき台湾を相手に次第に劣勢に立たされる日本ペア。
内容的には最後まで競り合っていたものの、終わってみれば丸中・長江ペア、中本・鈴木ペアがともにゲームカウント2-⑤で破れる結果に。
代表追加招集でチャンスを得た中本・鈴木ペアについては、中本圭哉選手が8年前の世界選手権でダブルス金メダルを獲得(菅野創世/)しているだけに、世界チャンピオンへの返り咲きも期待されていました。
しかし、現在世界最強ダブルフォワードの呼び声も高い、台湾のユー・カイウェン、リン・ウェイジェペアに悔しい敗戦。
個人戦は残念な結果となりましたが、国別対抗団体戦での金メダル獲得に期待がかかります。
男子はこの時点で個人戦ダブルスでのメダル獲得は潰えることとなりましたが、女子選手たちが快進撃を続けます。
準々決勝でライバル韓国ペアを寄せ付けなかった林田・島津ペアは、準決勝で台湾のエースペア、チェン・チューリン/クォ・チェンチーをストレートで下し、決勝へ。
その隣のコートで同時に展開していたもう一つの準決勝。
高橋・半谷ペアの相手は、第1シード韓国のムン・ヘギョン/コ・ウンジのペア。
勝てば日本人ペアによる決勝同士討ちとあって、スタンドからの応援にも力がこもります。
見事、強敵を1で退け決勝進出。
世界一を決めるトーナメントの頂上決戦は、日本人ペア同士の対決に。
世界選手権直前に岩手で開催された全日本選手権でも、決勝の舞台で皇后賜杯を争った両ペア。
その皇后杯では林田・島津ペアが⑤-0の圧勝で日本一に輝きました。
その直後に、世界一の座を賭けての再戦が実現するとは、そのときには思いもよりませんでした。
林田リコ、島津佳那の2人が、若き世界女王の座につくのか。
はたまた、高橋乃綾・半谷美咲ペアが皇后杯の雪辱を果たし、金メダルに輝くか。
ここまでの3試合を失ゲーム1で盤石の勝ち上がりだった高橋・半谷ペアですが、決勝戦は林田・島津ペアに先行を許す展開。
しかし、苦しい場面でも強気に勝負を仕掛けるのが高橋・半谷のテニス。
昨年アジア競技大会の団体決勝で見せた驚異的な粘りは健在。
リードされてもしぶとく相手に食らいつきます。
最後はファイナル1-5の劣勢を跳ね返し、見事な逆転勝利で高橋・半谷ペアが世界チヤンピオンに。
金メダルに手が届くところだった林田・島津ペアの心情を察すると複雑な気持ちですが、世界の舞台で日本人ペアのワンツーフィニッシュが見られたことは、大変嬉しいと同時に誇らしい限りです。
高橋・半谷の金、林田・島津の銀、どちらもおめでとうございます!
これ以上ない結果で終わった女子ダブルス。
残る種目は国別対抗。
ダブルス2本、シングルス1本で戦う団体戦です。
これは客観的に見ても、日本女子チームが金メダルに一番近い位置にいると言って間違いありません。
最高のフィナーレに向けて期待が膨らみます。
女子決勝戦が行われているセンターコートの外では、男子の準決勝が行われました。
日本勢が破れたため、準決勝2試合はいずれも台湾対韓国の対戦に。
丸中・長江ペアを倒したチェン・ツォンウェン/クォ・チェンチュンのペアは、韓国のイ・ヒョンス/パク・キュチョルのペアとの対戦。
パク・キュチョル選手は、同じく準決勝に進出しているイ・スヨル選手とのペアで前回の世界選手権のダブルスで金メダルを獲得しています。
お互いにダブルフォワードを主体としつつも、前に、後ろに目まぐるしく陣形を変えながら戦うスタイルは、いわばフリーポジション。
このレベルの試合を見ていると、もはや前衛、後衛という概念は意味をなしません。
決勝進出を賭けた激しい戦いは、韓国ペアが勝利。
パク・キュチョル選手は前日のミックス連覇に続き、4年越しの世界選手権ダブルス連覇に王手をかけます。
もう一方の準決勝は、台湾のエースペア、ユー・カイウェン/リン・ウェイジェと、イ・スヨル/キム・ジュンユンの顔合わせ。
こちらも互いに譲らず大激戦に。
途中、台湾のリン選手が足を痛めてタイムを取ります。
相当な疲労蓄積が見て取れるため、もはやここまでかとも思いましたが、その厳しい状況をユー・カイウェンが見事なカバーリングで韓国ペアに競り勝ちます。
いずれの準決勝も白熱の好勝負で、どちらが勝ってもおかしくない状況でした。
激戦のトーナメントを決勝まで勝ち残ったのは、大会連覇のかかる韓国パク・キュチョルとイ・ヒョンスのペア。
そして初優勝を狙う台湾のユー・カイウェン/リン・ウェイジェペア。
準決勝での疲労具合をみても、台湾ペアがやや不利かと予想していましたが、その予想を裏切り台湾ダブルフォワードの怒涛の攻めでワンサイドゲームに。
世界の頂点に向けて、終始ダイナミックなプレーを見せてくれたユー・カイウェン、リン・ウェイジェがダブルス世界チャンピオンに。
結果は⑤-0でしたが、世界一を決めるにふさわしい迫力ある試合でした。
大会3日目を終え、シングルス、ミックスダブルス、ダブルスの個人戦3種目が終了。
女子シングルスで銅メダル、林田リコ選手。
ミックスダブルス銅メダル、内本隆文・黒木瑠璃華ペア。
女子ダブルスでは、高橋乃綾・半谷美咲ペアと林田リコ・島津佳那ペアで金銀獲得の快挙。
いよいよ残るは世界選手権のクライマックス、国別対抗団体戦。
女子は日本が本命といえる状況にありますが、気がかりなのは男子チーム。
個人戦では台湾、韓国の後塵を拝する結果となりましたが、団体戦での奮起に期待です。
4日目につづく。
過去記事:第16回 世界選手権(2日目)
過去記事:第16回 世界選手権(1日目)
第16回(2019) 世界ソフトテニス選手権大会 注目動画
2019世界選手権 女子ダブルス/決勝
林田リコ/島津佳那(JPN) 対 高橋乃綾/半谷美咲(JPN)
2019ソフトテニス世界選手権 DAY3ダイジェスト
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