高校日本一を懸けた真夏の熱戦、インターハイ。
今年の男子日程は天候にも恵まれ、ここ南国宮崎の澄み渡る青空のもと白熱したトーナメントが開催されています。
照りつける強い日差しに気温も上昇し続け、会場内には熱中症への注意喚起をするアナウンスが流れ続けます。
コート上でプレーする選手はもちろん、応援や観戦に来た人たちも大変です。
ソフトテニスに熱中しすぎて熱中症になってもシャレになりません。
真夏の観戦に際しては、こまめに日陰で休んだり、水分・塩分補給を絶やさず安全第一での観戦を心がけてください。
絆。
そう、団体戦は何よりもチームワーク。
応援や控えの選手も含めた、チームの結束力がゲームの流れや勝敗を大きく左右します。
「二人で一本」
「みんなで一本」
個人競技ではなく、あくまでチームスポーツのソフトテニス。
チームが一丸となって戦う姿こそ、ソフトテニスの醍醐味です。
各県の代表校同士の試合はどのコートも注目の対戦ばかりですが、インターハイ会場ではメーカーブースも大きな楽しみの一つです。
インターハイ限定グッズを買い求めたり、プロストリンガーによるガット張り替えが頼めたりと、各ブースを覗いて回るだけでもソフトテニスファンには至福の時間です。
各メーカーとも新商品の展示や先行販売などもあって、あれこれと目移りしてしまいます。
そんななかミズノブースの前に何やら長い行列が・・・。
どこまでも続くその行列の先には、この夏に新発売となる新しいグリップ「ガチグリ」が!!
発売前のサンプル配布とあって、配布の時間帯ごとに大行列ができていました。
私もちゃっかり並んじゃったり(笑)
「見せてもらおうか、ミズノ史上最高のグリップ性能とやらを!!」
・・・と、世代がバレるおじさんギャグをかましてみたり。
そんな注目アイテム目白押しのメーカーブースですが、残念なことも一つ。
最近はネットオークションやフリマアプリなどの普及も手伝って、限定商品の買い占めや転売があとを絶たないようです。
チームの分をまとめて購入したり、会場に来られなかった人へのお土産として購入したり、まとめ買いをする人もさまざまとは思いますが、そこはスポーツマンらしくルールに則りフェアプレー精神で、くれぐれも不正な買い占めや転売行為はやめましょう。
また、ネットで不正転売品を見つけても購入しないことです。
知らず知らずのうちに不正行為に加担することにもなりかねません。
インターハイの団体戦では47都道府県と、開催県の第2代表を含めた48チームがその頂点を競います。
一回戦から数えて、優勝までには6試合を炎天下で戦い抜く必要があります。
前日の個人戦では惜しくも上位独占とはならなかった、高校ソフトテニス界きっての名門高田商業。
昨年はインターハイ個人、団体の2冠を果たしています。
その去年の3年生が抜けて主力メンバーは大きく入れ替わったものの、今春の選抜でも他を寄せ付けない圧勝でした。
驚くべきことに、今回の団体メンバーには入っていない1年生までを含めて、なんと現在高田商業に全日本アンダー17の選手が11人もいます!
高校日本一を目指して全国から腕に覚えのある選手が集まってくる同校ならではのことですが、高田商業のレギュラーがそのままこの世代の日本代表になったとしても不思議ではありません。
個人戦こそ連覇を逃したものの、なおさらこの団体戦にかける意気込みは並々ならぬものがあるはずです。
それでも、前日の個人戦の結果が示すように、たとえ圧倒的な存在とはいえ同じ高校生。
その他の強豪校の選手たちも打倒高商を胸に、持てる限りの力をコートで発揮します。
3年生にとっては高校最後の夏。
これまで積み重ねてきたものを出し切れた選手、思い通りのプレーができずに涙を呑んだ選手。
たとえ負けて終わったとしても、この場に立っているだけでとんでもなくすごいことです。
誇りを持って次のステップに進んでほしいと思います。
トーナメントも佳境に入る準決勝。
決勝進出を賭けて第一シードの高田商業とぶつかるのは、前日の個人戦を制した尽誠学園。
今年の尽誠学園は選抜こそ岡崎城西に破れてベスト8止まりだったものの、アゼリアカップ、全日本私学と団体戦のタイトルを2つ獲得しており、高商の対抗馬としては最右翼ともいえます。
2面展開で入った1番、2番は、その4ペアすべてが前日の個人戦でも上位入賞。
いずれも実力伯仲の好ゲームが展開されます。
2番、高商の山本・池口ペアと尽誠の白川・石川ペアによる超高校級のスーパープレーの連続に、会場が何度もどよめきます。
この大将対決に白川・石川ペアが競り勝って、尽誠学園が先勝。
さらに1番の米川・大辻ペアがそれに続き、王者高商を0-②で破る劇的勝利。
2019インターハイ男子団体戦/準決勝 対戦結果
高田商業(奈良) | vs | 尽誠学園(香川) |
---|---|---|
前田・西端 | 2 ー ④ | 米川・大辻 |
山本・池口 | 2 ー ④ | 白川・石川 |
幡谷・西田 | ー | 四位・松原 |
もう一方の準決勝は、木更津総合と東北の対戦。
第2シードの東北高校は、インターハイ団体では3年ぶり5度目の優勝を狙います。
対する木更津総合は、ここまで和歌山北、岡崎城西、羽黒と強敵を倒しての勝ち上がり。
木更津総合といえば一昨年の福島インターハイ、優勝した羽黒との壮絶な準決勝がいまだに強く印象に残っています。
そのとき1年生で唯一メンバー入りしていたのが、現3年生でエースの山下真央選手。
最後のインターハイで悲願の決勝進出なるか。
その一球一打に、インターハイに懸ける強い想いが伝わってきます。
個人戦でもベスト16入りしている東北のダブルフォワード佐藤・掘ペアに、ゲームカウント④-1で完勝。
決勝進出に王手をかけます。
同時展開の隣のコートでは、1番遠藤・滝瀬ペアが、東北の北野・岡安ペアを相手に大接戦を演じます。
最後はファイナルをものにした木総が勝利し、初の決勝進出を決めます。
2019インターハイ男子団体戦/準決勝 対戦結果
木更津総合(千葉) | vs | 東北(宮城) |
---|---|---|
遠藤・滝瀬 | ④ ー 3 | 北野・岡安 |
山下・松橋 | ④ ー 1 | 佐藤・掘 |
岡田・髙野 | ー | 白鳥・星 |
熱いドラマの最終章は、尽誠学園と木更津総合による決勝戦。
尽誠が勝てば10年ぶり3度目、木総が勝てば初優勝。
しかも関東勢のインハイ団体優勝となれば、平成元年の鶴嶺高校(神奈川)以来、実に30年振りの快挙となります。
第1対戦。
ここまで全試合でトップを務め、相手校の大将格を次々と破ってきた決勝進出の立役者、遠藤・滝瀬ペアでしたが、前日の個人戦で3位の尽誠米川・大辻ペアに1で屈します。
2面同時展開で行われた第2対戦は大将対決。
木総の山下・松橋ペアと、個人戦優勝の白川・石川ペア。
相手がインハイチャンプとはいえ、山下・松橋ペアも今年の全日本私学個人で優勝しており、実績、実力は引け劣りません。
今回の個人戦では5回戦でぶつかり、白川・石川ペアが1で勝利。
6月のハイスクールジャパンカップでも、白川雄己選手と山下真央選手はシングルスで激闘を繰り広げており、まさに宿命の対決。
山下・松橋ペアの気迫の攻めにゲームカウント0-3まで追い込まれる白川・石川ペア。
そこから勝負所で石川峻伍選手の神がかり的なボレーやフォローも炸裂し、ファイナルまで盛りかえすも一歩及ばず。
木総がハイジャパ、インハイ個人の借りを返す大きな1勝を上げます。
勝負の行方は、3番勝負へ。
両校の選手と応援全員が、日本一に向けて最後の気力を振り絞ります。
ゲームカウント3-2から尽誠の四位・松原ペアがポイント3-1で2本マッチを握るも、木総の岡田・髙野ペアが崖っぷちを見事にしのいでファイナルへ。
これぞインターハイ決勝。
もう鳥肌が止まりません。
一進一退の攻防で、どちらに転んでもおかしくない名勝負でした。
本当に紙一重の差で、最後は尽誠学園の勝利。
最後の最後、あと一本というところで、木更津総合に初優勝のプレッシャーが大きくのしかかったようにも見えました。
2019インターハイ男子団体戦/決勝戦 対戦結果
尽誠学園(香川) | vs | 木更津総合(千葉) |
---|---|---|
米川・大辻 | ④ ー 1 | 遠藤・滝瀬 |
白川・石川 | 3 ー ④ | 山下・松橋 |
四位・松原 | ④ ー 3 | 岡田・髙野 |
破れはしましたが、殊勲のインターハイ準優勝。
決勝戦に出場した両校の選手のうち、どちらも半分がまだ2年生。
ドラマの続きは、次の新たな舞台へと繋がっていきます。
令和元年度(2019) 全国高等学校総合体育大会ソフトテニス競技(インターハイソフトテニス) 試合結果
感動は無限大 南部九州総体2019 > 競技日程・結果 > ソフトテニス
女子日程もあるので少々気が早いですが、来年の舞台は北関東です。
魅せろ躍動 北関東総体 2020
来年こそは地元関東勢のインターハイ制覇を目にすることができるかもしれません。
過去記事:令和元年度 全国高等学校総合体育大会(インターハイ男子個人戦)
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