3月も終わりに近づき、日に日に暖かさを感じる季節になりました。
私といえばこの時期は毎年花粉の猛襲に悩まされていますが、それでもやはり春の訪れは嬉しいものです。
ソフトテニス界では都道府県全中、高校センバツ、白子の全小と、立て続けに各カテゴリーで日本一を争う戦いが繰り広げられます。
その全国大会ラッシュの幕開けともいえるのが、私立高校の日本一を決めるこの全国私学。
会場の横浜国際プールは、自宅から近いこともあって去年、一昨年に続き今年も観戦しに来ました。
東京五輪を控えて改装中の東京体育館が使えない影響により、今年は女子個人戦の決勝トーナメントのみを駒沢体育館で実施。
それ以外の全日程はこの横浜国際プールでの開催となりました。
全国レベルの熱戦が近所で開催されているとなれば、そこは見逃すわけにはいきません。
さすがに1週間通いつめるわけにはいきませんが、それでも今回は女子団体、男子団体、男子個人決勝トーナメントの計3日間会場へ足を運びました。
基本的に平日開催ということもあって客席はまばらですが、昨年まではスタンド片面利用だったところを今年は両サイドとも解放されていました。
最近は試合だけでなく、つい大会運営面のほうにも目がいくのですが、こうした体育館利用の際は客席利用の有無でも会場使用料がだいぶ変わってくるそうです。
どうせ空いているんだから、同じ料金で貸してくれたっていいのに・・・。
そう思っていたところ、使用したらしたで清掃などでお金がかかるのだそうで。
確かに、言われて納得。
いずれにせよ、せっかくの全国大会なので近隣の中高生など、もっと多くの人に生でハイレベルなプレーを観てほしいものです。
これだけ愛好者が多い競技なので、「やるスポーツ」としてだけでなく、「観るスポーツ」としてもまだまだ発展の余地があると考えます。
この全国私学は公立高校は出場していないものの、それでも全国トップクラスの有力校が集まる大会です。
翌週から始まる高校センバツの行方を占う前哨戦として、注目の対戦カードが目白押しです。
団体戦においては、1、2年生の新チームで臨む全国大会。
昨年からすでに全国区で活躍していた選手、そして新たに台頭するルーキーたち。
ここで頭角を現すチームや選手たちこそ、春のセンバツ、夏のインターハイでのヒーロー、ヒロイン候補といえます。
大会初日の女子団体戦。
昨年の優勝校であり、今年も優勝候補に挙げられる第1シードの文大杉並(東京)。
その文大杉並を退けたのは、ノーシードから勝ち上がった東北(宮城)でした。
現役高校生皇后杯チャンプ(当時)となった林田リコ・宮下こころペアを擁し、文大杉並が圧倒的な強さを誇った2年前までの状況と比べると、団体・個人ともに抜きん出た存在のいない現在の女子は混戦模様です。
どこが勝ってもおかしくありません。
そんな状況を象徴するかのように、4本シードの文大杉並、中村学園女子(福岡)、昇陽(大阪)、白鷗大足利(栃木)がいずれもベスト4に届かず敗退。
そうしたなかで準決勝へ駒を進めたのが、東北と須磨学園(兵庫)。
もう一方のヤマからは、豊田大谷(愛知)と就実(岡山)。
激戦のトーナメントを勝ち上がった東北、就実による決勝戦がスタートした時点で、時計はすでに20時を回っていました。
ワンデートーナメントゆえ、その日の選手たちのコンディションやオーダーの妙など、勝つためにはさまざまな要因が求められます。
どれだけ強い学校でも勝つことは簡単ではありません。
でも、だからこそ団体戦は見ていて面白いもの。
ここまでの試合の勢いに比べると、初優勝のかかった東北高校にやや固さが見られ、もったいないミスが出ます。
全国大会決勝の檜舞台にあがるだけでも並大抵ではありませんが、「勝てば日本一」というプレッシャーは計り知れません。
それを差し引いても、圧巻だったのは就実のメンバーたち。
決勝3面展開で失ゲームゼロの完封勝利。
平成30年度(2019) 全日本私立高等学校選抜ソフトテニス大会 女子団体戦/決勝 対戦結果
東北(宮城) | vs | 就実(岡山) |
---|---|---|
田村・縄田 | 0 ー ④ | 奥田・藤原 |
星・廣田 | 0 ー ④ | 石井・吉本 |
井上・堀越 | ー | 太田・岡田 |
3ペアともダブル後衛の平行陣を主体としつつも、ただひたすらつなぐようなスタイルではありません。
速球で打ち合える打球力を備えつつ、スライスやドロップショット、アタックで巧みに相手を揺さぶります。
チャンスで前に出れば中間ポジションでのボレーにも安定感があり、さまざまな試合状況に臨機応変に対応できるよう、よく練習を積んでいるのが伺えます。
平成30年度(2019) 全日本私立高等学校選抜ソフトテニス大会 試合結果
日本私立高等学校ソフトテニス連盟 > 大会記録
就実は2月のアゼリアカップに続く団体2冠となり、一躍センバツの本命に躍り出ました。
今年の選抜は3月28日(木)~30日(土)の日程で、愛知県のスカイホール豊田で開催されます。
今から楽しみでなりません。
平成30年度(2019) 全日本私立高等学校選抜ソフトテニス大会 注目動画
女子団体戦/決勝
第1対戦
田村・縄田ペア(宮城県/東北) 対 奥田・藤原ペア(岡山県/就実)
SOFT TENNIS Navi
過去記事:平成29年度 全日本私立高等学校選抜ソフトテニス大会(女子)
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