昨日より開催されているアジアソフトテニス選手権の2日目です。
4日間の皆勤賞を宣言した私ですが、毎朝早くに川崎市の自宅を出発して千葉まで通勤(?)することになりますので、なかなかタイトなスケジュールです。
そのなかで毎日ブログを書いたら、絶対自分の首を絞めると思い、もともとは初日の速報と、全日程終了後の総括という2本にまとめようと考えていました。
しかし、国際大会の見どころの多さに、むしろこの4日間を最後に1つの記事にまとめるのは無理だと気がつき、それなら毎日書いたほうがきっと良いと考え、寝る間を惜しんで書いています。
というわけで、前置きが長くなりましたが、DAY-2の模様をお届けします。
2日目は、昨日の続きとなる男女シングルスの準決勝からスタートしました。
なかでも男子の準決勝第一試合は、注目の日本人対決。
昨日の準々決勝で、連覇を狙う第一シードの韓国エース、キム・ドンフンを破った増田健人選手。
長江光一選手、船水雄太選手という有力日本選手との激戦を勝ち上がってきた内本隆文選手。
事実上の決勝戦ともいえる試合を制したのは内本選手。
ちなみに、内本選手は早稲田大学の1年生で、今回が日本代表初選出です。
昨日のブログ記事でも触れたように、今大会のシングルスでは国際普及のために新興国に配慮したドローが組まれており、強豪国側のヤマを上がってきた内本選手と、新興国側のヤマをあがってきたインドネシアのSIE ELBERT選手との対戦は、一方的な試合になるかと予想されました。
しかし、蓋を開けてみれば、ファイナルの4オールまでもつれる展開。
ELBERT選手が歴史的勝利をあげるかとも思われましたが、最後は内本選手の意地と金メダルへの執念が上回りました。
優勝決定の瞬間、重圧から解放されたかのように、コートにへたりこむ内本選手の姿が印象的でした。
国を代表して金メダルを賭けて戦うプレッシャーの大きさと、そのためにこれまで積み重ねてきた努力を物語っているようです。
一方で新興国選手の健闘は、ソフトテニスの未来に明るさをもたらす材料であり、心から賞賛の拍手を送りたいと思います。
シングルス終了後に開催されたミックスダブルスも見応え抜群でした。
ミックスダブルスというと、市民大会やシニアの大会などで見られるような、ほのぼのしたイメージしかなかったのですが、各国のトップ選手がメダルをかけて戦うミックスは、想像をはるかに超えるものでした。
男子のスピードとパワーを駆使した攻撃的なテニスに、女子の相手をかわして展開で一本取る粘りのテニスが組み合わさり、めまぐるしい展開に目が離せない試合ばかりでした。
ミックスダブルス、かなり奥が深いです。
とくに日本人ペア同士の対決や、日韓対決で実力伯仲した好カードが多かったです。
注目の決勝は、韓国のキム・ジオン/キム・ボムジュンペアと、日本の船水颯人/佐々木聖花ペアの対決です。
韓国ペアの前衛キム・ボムジュン選手は2014年アジア競技会のミックスでも優勝。
後衛のキム・ジオン選手は午前中の女子シングルス決勝でも勝利しており、2015年世界大会に続いて、2016年アジア選手権(今大会)のシングルス女王です。
この2人のペアリングは、現在世界最強ミックスペアといっても間違いありません。
対する日本の若きエース、今年の天皇杯でも学生チャンプとなった船水(颯)選手と、ペアを組む佐々木選手は、揃って早稲田大学の現役学生ペアです。
決勝はスタートから韓国ペースで進み、ジオン選手の男子顔負けのストロークと、ボムジュン選手の決定力がうまくかみ合い、ゲームカウント0-3と一方的な展開になりました。
今大会のダブルスは9ゲームマッチ(5ゲーム先取)で行われますが、あの段階では私を含めた会場の観客の多くに、「やっぱり韓国強すぎ」、「船水(颯)でも勝てないのか」と諦めムードが漂っていました。
しかし、そこから船水(颯)・佐々木ペアの猛追がはじまります。
終盤には、それまでサイドを抜かれていた佐々木選手も要所で難しいボレーを抑え、見事ゲームカウント5-3で逆転勝利。
勝利の瞬間には、ただ見ていただけの私もいろんなものがこみ上げてきて、涙が出そうでした。
絶体絶命の状況から諦めずに勝利をたぐり寄せた船水(颯)選手。
一方で、掴みかけた金メダルが手のひらからこぼれ落ちた韓国ペア。
試合後の表彰式に向かうボムジュン選手の泣き腫らした真っ赤な目を見て、日本勝利の歓喜の裏で、国際舞台における真剣勝負の残酷さを垣間見ました。
そんな感動の場面に下世話な話で恐縮ですが、日本ペアの勝利が近づいた瞬間にふと私の脳裏によぎったのは、「果たして、ミックスで優勝したときはハグするのだろうか?」という疑問。
しかも同じ大学同士のペアだからなおさらのこと。
照れがあったり、仲間に冷やかされやしないかと、おじさんはいろいろ勘ぐってしまいます。
ただ、勝利の瞬間に極度の緊張から解放され、堰を切ったように泣き出す佐々木選手を、なんの躊躇もなく力強く抱きしめた颯人選手は、メチャクチャ格好よかったです。
映画のラストシーンのようで、純粋で、ただただ素敵でした。
一瞬でも余計なことを考えてしまったおじさんは反省します。
もともとその実力と甘いマスクでファンも多い颯人選手ですが、あの瞬間、私のなかで一躍「抱かれたいソフトテニス選手No.1」に選ばれました。
というわけで、大会2日目で、すでに感動の嵐なのですが、いよいよ明日は注目のダブルス、明後日は国別対抗です。
土日は関東近県の中高生なども見学に来ると思われますので、会場は人でごった返すはずです。
それでも、あの感動はぜひ現地で直接味わっていただきたいです。
日本国内で、しかも関東で国際大会が開催されるというこのチャンスを逃せば、次は何年先になるかわかりません。
もし迷われている方は、ぜひ会場へ足を運んで、一緒に日本チームを応援しましょう。
どうしても来場できないという方は、感動の場面をこちらで。
SOFT TENNIS Navi
撮影した動画は順次アップしていきますが、大会期間中は編集作業が追いつかないため、全てアップできるのは週明けになります。
チャンネル登録をいただければ、新規の動画が公開されるごとに通知が届きますので、見逃す心配はありません(宣伝)。
それでは、週末は会場でお会いしましょう。
2016アジアソフトテニス選手権大会 注目動画
男子シングルス/決勝戦
内本 隆文(日本)対 Elbert Sie(インドネシア)
ミックスダブルス/決勝戦
船水颯人/佐々木聖花(JPN)対 キム・ジオン/キム・ボムジュン(KOR)
過去記事:第8回 アジアソフトテニス選手権大会(1日目)
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